朝の商店街
まだまだいろいろ慣れないことが多いので、朝5時半には目が覚めて6時頃に朝風呂して、そしてとにかく早く店に着いて仕込みや開店の準備をしています。
大須商店街は朝10時頃でもまだシャッターが閉まっているところが多いです。
9時ちょっと過ぎに買い物のために仁王門通りを抜け万松寺通りを東に足早に歩いてました。殆どシャッターが閉まっていて、歩いているのはきっとこの商店街で働いてる人たちなのかな。なんか異様に気分が高揚してきました。
私はこういう商店街が大好きなんです。しかもそれぞれが開店の準備をしているような時間帯の商店街が。朝11時まではアーケード街の中は車両が走れるため、荷物を積んだトラックが何台も行き来しています。お酒や大きな荷物がいろんな店に運び込まれています。そういう商店街という舞台の中で私もそこのキャストのひとり、みたいな感覚にわくわくします。
私はこういうお店での仕事を始まるよりずっと前、20代の頃から商店街が大好きでした。確かにその当時は大須商店街でよく買い物をしていました。しかしそれだけではなく、はっきりと覚えているのは神戸元町の高架下の商店街で開店のために小さな店のシャッターを開けている人を見て、なにかそこに不思議な感覚を受けたのです。私もいつかこういうところでお店のシャッターを開けるだろうという不思議な確信めいたものでした。沖縄の今は無くなった農連市場でござの上で野菜を売ってるおばあちゃんたちを見た時も、「私はいつこういうところに座って商売するのかな?」という思いがごく自然に心に浮かび上がって、そのことにびっくりしたものでした。
22年前にシネマスコーレが経営に参加していた「アジアスーパーシネセンター」で働いてた時も、そして21年前にスコーレ近くでロジウラのマタハリ春光乍洩を開いたときも、あの時に朧げに感じていた夢に近い場所にいると思っていました。
しかし朝の大須商店街を歩きながら「ここは20代に夢見た場所のドストライクじゃん?!」と気付いたんです。この数か月、ある意味足元だけ見て店作りを進めていて、ちょっとそういうことに対しては上の空だったかも。
朝、近所のずっと古くから大須で商売してる老舗店の方にすれ違って挨拶をしました。その大先輩は握った拳を軽く振って「ガンバ!」と言ってくれました。それだけのことがものすごく嬉しかった。私もここでずっと楽しく働いていけるかな。一緒に年を取っていけるかな。
開店してから今日は2回目の定休日。でもまだまだやることはいっぱいあります。しかしゆっくりと進んでいこうと思っています。
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