「夜の分断、朝の逆光」の感想を頂きました

2020年7月5日と7月12日。マタハリで行った

朗読劇「夜の分断、朝の逆光」 ~マタハリ大人の文化祭~

ご来場いただいた方たちから感想を頂きました。それを読んで感じたのは、作って、そして最後に出した時には完成したどころか繋いだつもりの輪はほどけてるような、少し頼りないような状態に穴が空いてるような、そんなかんじで、それを観てくれた人たちが心の中でそれぞれに結んでくれたような、穴に新たなもので埋めてくれたような、そんな気がしました。見に来てくれた人たちがどう感じたかでやっと完成していくものなのかもしれない、と思いました。

そんなわけで、頂いた感想を掲載しておきます。

★kiyomiさん

みやびさんの文章が好きなので、共感することも多く、小物使いもとても良く、こんなメールのやりとりって、わたしもしていたわと懐かしく思った。そして、りりこさん脚本は、カウンターで、りりこさんと話すこともマタハリの楽しみのひとつなんだけれど、この朗読劇も、その延長のような楽しさと不思議さ、そして、美尾りりこは、女優だった女優なんだと改めて思った。共演者さんたちの声もとても良く、楽しませてもらえて幸運だった。まだまだそこにいて余韻にひたり、話もしたかったけれど、これから本番があるので外に出た。外はもう晴れていて劇じゃないけれども穴からヒカリに向かって歩いてきた。りりこさんが本当に楽しそうで幸せそうで輝いていた。


★水晶と爪さん

朗読劇+映像+音楽の想像以上の情報量にビールを飲んだ頭がくらくらした。

もうコロナの後に生きている。密でない心地よさを知った今、コロナの前には戻れない。


★タツさん

朗読劇だけど映像があり、臨場感ある朗読というか演技で圧倒された。素晴らしかった。

店のりりこさんが脚本作で出演者の一人としても登場。プロの役者さんも参加されてて、よく通る聞きやすい発声で、笑いも歌唱もあり最高。昔よく小さな劇団の公演を観に行っていたんだけど、あの空気感を思い出した。奇妙で、エネルギーがあって、クリエイティブで。いいものを観た。


★kakaさん

「朝の逆光」

いとうせいこうの「我々の恋愛」ってのが、恋愛に関する国際シンポジウムみたいなので、研究発表の中に間違い電話から始まってデートもするけど顔をみない。っていう事例とはるか昔の恋人どうしが歳をとって、外国からメールしあって再会する約束をして、でも結局会えないって事例があって、それを思い出した。

途中から音楽が変わる感じも良かった。

みやびさんの写真もコロナの真っ最中に撮っている写真だと思って見てると、例えば天気を撮っても、お昼の菓子パンを撮っても、雑然としたテーブルも洗濯ものも、何を撮ってもコロナ禍で目にしたものと思ったらエモいよな〜

バスケットの得点みたいな日めくり式の曜日めくりも良かった。手書きの文字も、マスクみたいな白い生地も。

あんな風に曜日単位で時間が過ぎていった気がする。曜日だけ意識して、生活してたら何ヶ月も過ぎてた。爪の伸びる早さ、髪の伸びる早さ。馴染みのある一週間。また月曜日がきた。を繰り返してたら実は輪ではなくて螺旋だったので、すごい遠くに来ていたみたいに感じている。その感じがあの曜日めくりとしっくりきた。日曜日からくるんと回って月曜日の感じが。

「夜の分断」

嵐電、銀河鉄道999、千と千尋の神隠しのカオナシの列車、ネコバス

そういう、どことなく和風なイメージが浮かぶ。

でも主人公はりりこさん。ふざけてばかりだけど、実はどこかの国のスナイパーでミッションがある。みたいな。

壁の穴から魚。

ぎょっ!!ってボケたかったのかなあとひとり肩をふるわしたけど最後にちゃんと海に戻ってくるところが、やっぱすごいよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コロナ中に、ヒマをしてる友達や知り合いが、普段は自分のスキルなんて見せないのにヒマだから遊びでやってるってことが凄すぎて(絵とかも料理とか音楽とかいろいろ)自分のとるにたらなさを何かと思い知って自分の現在地を知らしめさせられた気持ちに何度もなった。それはショックとかではないの。なんちゅうか知ってたつもりの現実を本当に知った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私も子供の頃、はっきりと、起きてる現実味があるんだけど夜中に寝てる部屋の引き戸がガラガラガラと開いたりピシャンと閉まったりをくりかえしているの。それはたぶん猫がやっている。猫はこの世のものではない。それで私は寝てるフリ(猫に対して)をしながら寝返りを打って、隣で寝ている母親のふとんの中に手を入れて母親の手を握る。起きて!!と念じるけど、全く起きない。まあそのうち自分も寝ちゃうんだけどさ。そのことを思い出したな。はっきりと起きている感覚があるってとこで。なんだろうあれ?科学番組で解説して欲しい。

りりこさんの演技を観たのは思えば初めてで、目つきがキリッとシャープで美人アングラ女優だった。カッコいい!華がある!

やっぱりくらっしゅのりおさんの声がするだけで締まるし安定するし、(イケメン?ライダーから笑うセールスマン的なあれまで)でもやっぱり揺るぎないスミトコさんの存在の素晴らしさ!

ブレーンが凄い。(裏方の黒い二人のクールな仕事人っぷりも。大人っていいよな〜自分の役割をクールにこなす)

そして、マタハリのハコが良かった。あのくぼんだところを舞台にして窮屈な感じとか、そこにうごめく体型が様々の四人。

コロナ禍に何かしら残したいと思うクリエイターは多いだろうな。素早く行動に移したりりこ組は素晴らしい。そして決めた上演日がちょうど、ちょっと集まっても大丈夫な時期だったのも、もってるなーと、何から何まで褒めちぎりたいですー


★YMさん

「朝の逆光」、今の時代の恋愛感をよく表していたなって感じでした。ほとんどの人が暇さえあればスマホをいじって、どこか空虚の中に幸せがないかなって模索して、掴んだかなって思ったら、やっぱり空虚だった、私には、そんな感じがしました。

朗読にみやびさんが、もっと出演していただきたかったなって思いました。

みやびさんと、少しお話ししたかったのですが、帰りがけにタイミングを失ってしまって、残念でした。みやびさんご本人から作品の思いとか、いろいろ伺いたかったです。

「夜の分断」、これはもうまさしく、りりこさんにしか書けない作品と思いました。コロナ渦のなか、さまざまなうわさに右往左往している世の中の風刺、そしてそれをギャグに変えてしまう、りりこさんの感性が素晴らしかったです。スミトコさんとの掛け合いもバッチリでよかったです。観ているうちに、昔2チャンネルで話題になった、如月駅の話が思い浮かびました。それから穴にこだわった話も面白く、そしてその中にいるコロナの風刺が盛り込まれている感じがとても面白かった。いっそ、全部無しにしてしまえばいいのに、の件は自分もそうだそうだと思いました。

あと、両方の作品のサウンドと映像凄く良かったです。臼井さんも北村さんにも拍手です。

私の理解力の無さと思いますが、タイトルとの関連性がちょっと分からず、もう一回観ればわかるかなって思いました。


★アヤカさん

「日曜日にマタハリさんの朗読劇に行った話」

★シロメいぬさん

「朝に夜を混ぜること」

ロジウラのマタハリ春光乍洩

いい音楽といいごはんのカフェ。 名古屋市中区大須の小さなアジアンカフェです。