りりこ*cafeロジウラのマタハリ春光乍

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「オオフジツボ」とその翌日

6月17日(日)はオオフジツボのライブでした。 だいたい年に一度はお越しいただいてるのですが、今回は1年半ぶり! 先回は2016年12月29日。その年最後の営業がオオフジツボのライブで、そして皆さんでケジャン鍋を囲んでの忘年会だったのでした。 ちょうど1年半!けれどそんなふうにも思えないのは、オオフジツボの音楽はマタハリでヘビロテしているからですし、太田さん・藤野さん・壷井さんのことはとても近しく感じているからなのでしょう。

そういう意味ではちょっと慣れすぎちゃってるなあ。オオフジツボの皆さんがいらっしゃっても「うわあ!」みたいな感激とかワクワクとかドキドキとかなく、昔からよく知ってる久々の友達が来てくれたような嬉しさが当たり前みたいな感覚。 勿論、ライブが始まっちゃうと私も後ろで立って聴きながら音楽の楽しさや気持ちよさに酔うんですよ。店側なので空調はどうかとか初めていらっしゃったお客様は楽しんでらっしゃるかとか今日は店の外が騒がしいなとかその他いろいろ、いろんなことを考えつつも、それでも私たちもいっぱい楽しませてもらってます。
でも、そういう楽しさにも慣れてしまっていると今の私は思っています。

ライブが終わった後、皆さんにお食事を出しながらいろんな話をして、その日の日付が変わるまで楽しい思いでいっぱいで、ああ今日も楽しかったなあって思って、「また来てくださいね!」って手を振ってお別れして、家に帰ってからSNSなどでお客様の感想なども読んで、そしてまた何度かの「今日も楽しかったなあ。またライブに来て欲しいな」ということを当たり前のように思って寝たんですよ。 そして翌日の朝の地震。名古屋は大したことはなかったけれども大阪では震度6弱。

オオフジツボの3人は今回のツアーは17日で終了だし、車でいらっしゃってるから帰路もきっと大丈夫だろうとは思う。でも、もしもこれが1日前だったら大変なことになってたのかなあ、と少しゾッとしました。 そうだそうだ。何かが起こってしまうその瞬間よりも少し前は、いつだってただの普通の日で、当たり前に「またね」と思っている世界なのだ、ということをしみじみと思う翌日の朝。
ライブのあとで、またねって言ってお見送りすることが出来て、本当に良かった。その日のつつがなさに感謝です。

そして「良かった」って思っているのはライブを終えて翌日は休みの私たちであり、それは本当にたまたまなことで、私の知ってる方でこの地震で動けなくなっている人、すごく困っている人もいるでしょう。数珠繋がりの日々の中で良かった、と思っている私たちと、その日に大事な予定を持っていて今すごく困っている人もいて、こういうことが起こるたびに思うのは、すべての瞬間がいろんな偶然で成り立っているということなのです。

いろんな楽しいことにちょっと慣れた自分の頭をコツンと叩いてやりたいような気分です。

人と知り合うタイミング

いつも明るい声で笑顔で、どんな人にも、どんな気難しい人にでも、ちょっと偏屈で変わり者の人にも、素敵に接する人が私の身近なところにいます。言ってみれば小さなお店に勤めている「おばちゃん」で私よりも年は上の方なのですが昔からとても若く見えてました。いつも笑っているからかな。ほんと、ずっと昔から私にとって理想の人のひとりです。誰だってそんなふうに明るく優しく分け隔てなく生きたいじゃない? でも何故か現実はそうはいかないのってなんでかな?別に誰かと積極的に諍うというわけではないのだけど、生活圏内にはたくさんの人がいて、その中でなんとなく挨拶するタイミングが逸してしまい、顔はお互いによく知っているのに話す機会どころかお互いに会釈することもない関係ってありますよね。うちの店の周囲にはいろんな店が出来ては消えていきます。17年前、私たちは店を開店する前にせめて同じ通りにあるうちよりも古くからあるお店には挨拶に回りました。その後、周囲は様変わりして店も変わっていき飲食店はものすごく増えたけれども、開店の挨拶に来てくれる店は殆どありませんでした。だからこちらから特にお付き合いを深めることもなく、道ですれ違っても会釈することもなく、それらの人も店もただ風景のように目に入る、それだけのことでした。ところが、あるお店の方が、突然うちのランチにいらっしゃるようになりました。何年か前から近所でお店をやってらっしゃる方でよく見かけるしよくすれ違う方です。けれどその店はオーナーがいてその人に雇われているのか、オーナーから場所だけ借りて自分の裁量でやってるのか、どんなメニューの店でどんな客層なのか、ご近所なのに私たちはさっぱり知りません。そんな方が突然いらっしゃって、正直驚きました。そして私は失礼のないようにとだけは思いつつ、オーダーを取り料理をお出ししお金を頂く際のただただ最低限の言葉を発するのみで、それ以上の世間話をすることもないままでした。しかしその方は1ヶ月前にいらっしゃって以来、かなり頻繁にランチにいらっしゃるようになりました。それで昨日の朝、店に向かう車の中で私は思いました。私って結構、頑なだし、狭いよなあって。頭の中で私が理想としてる女性の顔が浮かんでいました。あの人だったらとっくに明るい声で世間話をして、それにつられて相手も楽しげな顔になってるなあって。よし、と思いました。自分の頑なな心をもう少しやわらかくしよう、と。そう思ってたらですよ、昨日のお昼もその男性はやってきて、しかもその人から急に話を振ってきました。「今、前の映画館でやってる映画でおすすめのものってありますか?」と。そうそう、近所の同業者と何か話そうと思っても話題探しが難しいんですよ。どこかの店や誰かの悪口やいろんな愚痴で盛り上がるのはいやなので、それ以外のことで共通の糸口を探すのがなかなか難しいのです。けれどもそれが好きなものの話だったら、いくらでも会話って広がっていくんですよね。そして私は意識して、自分の中の心を覆っている固い殻に熱いオイルを少しずつ垂らすような感じでやわらかく溶かしていくことを心がけました。そうしたら、あれ、なんだかいい感じじゃん?私、何を警戒してたんだっけ。そんな気持ちになりました。そして、なんだろう、すごく気持ちが軽くなってる!自分の生きていく時間の中にある、硬くなっている時間を、少しずつ溶かしていけたらなあとそんなことを思っています。

『おっさんずラブ』の話がしたい!

『おっさんずラブ』が始まる前からずっと私は脳内会議をしてます。勿論、それは始まって毎週観ていても、です。何人かの方は始まる前から「楽しみだわ」とおっしゃってたが私はちょっと慎重にしていました。なぜなら私の大切な友達の何人かはゲイやレズビアンやバイセクシュアルや、そしてアセクシュアルの方もいて、そしてうちの店にいらっしゃるお客様たちも性的マイノリティの方が多くいらっしゃいます。『おっさんずラブ』で描かれるのはゲイの、というより、男を好きになった男の話であり男から好きだといわれた男の話。それが、私の友達が、知ってる人が、不快になるような、傷つくような、そんなドラマだったらすごくいやだなと思ってたのです。けれど、ちょっとそんなふうにして距離を置きながら観た1回目、ちょっと私はにやにやしながら観てる自分に気が付きました。2回目から、いろいろと言いたい事もあるけれども、そしてまだ判断は下せないけど、結構このドラマを私は楽しみにしているなと思いました。そしてずっと脳内会議です。あれこれと。でもいよいよ明日が最終回。思ってもいなかった、もう最終回。ここに来てみんなと『おっさんずラブ』の話がしたい!!と、すっごく思っています。

7月8日(日)佐藤正治ソロ

金太郎飴のような人生

店を続けていけば行くほど、いや店に限ったことではなく生きている時間が長くなればなるほど、自分の周りで鬼籍に入っていく方が増えていきます。お店で、そういった方の話を聞く機会も増えていきます。昨日はそんな日でした。亡くなった方の話は大抵がいい思い出話ばかりだけれど、昨日話に上った方たちは亡くなったからということではなく、生きているうちからすごいなあとリスペクトしてた女性でした。おひとりは2014年に亡くなった瀬辺千尋さんのこと。瀬辺さんのパートナー、加藤智宏さんがまた瀬辺さんが残した台本をベースに芝居を作るという話を伺いました。瀬辺さんはずっとBAR プリシラも営業しつつ、よくもそんなに台本も書き、演劇に携わってたなあと本当に驚きます。割と早い時期から「劇団」という集団から抜けて1回の公演ごとの自身のユニットを立ち上げたり劇作をしたりされていたと思うのですが、ソロ活動でこんな風に長いこと芝居に携わって人はそんなに多くないんです。たくさんの人がある人生の時代を芝居に関わり、そして過ぎていく中、瀬辺さんはすごいなあ、なんて私は思うんですよ。さて昨夜は先日亡くなった本田薫さん、honちゃんの仕事の後輩だった方で、彼女をよく知る方がマタハリに訪ねてきてくれました。そしてhonちゃんの話をいろいろと伺う事が出来ました。瀬辺さんのこととか、honちゃんのこととか。彼女たちは亡くなるギリギリまでずっと「この先」のことを考えながら好きなことをやってたように思います。ふたりとも、勿論生きていればその時間の分だけいろんなことをやっていたんでしょうけど、残念ながら彼女たちは亡くなって、彼女たちの生きていた時間はそこで途切れてしまったわけですが、まるで金太郎飴みたいに、どこを切っても、そして最後のところまで、笑顔とか、希望とか、好きなこととか、そういうのでいっぱいで、それは他人だからそう見えるのであってもしかしたら本人は無念だったかもしれないけれども、でも本当にどこを切ってもそこに一日を目いっぱい生きていたあなたの顔、そんなふうに思うのです。今はただ、私も少しでもそんな風に生きていければなと思っています。さて。今日も一日、いい日でありますように!マタハリでお待ちしております。

ゴールデンウィークの風景⑤ 明日から『恋のクレイジーロード』!

マタハリのゴールデンウィークには毎年「魔」が潜んでいます。何故かびっくりするぐらい、お店を開けたことを後悔するぐらい暇な一日がやってくるのです。うちではそれを「魔の一日」と呼んでいます。今年はそれが先日の5月2日の雨の日かなあ。とにかく暇だった!もしや開店以来歴代の暇な日になるのではと思うほどの暇な一日でした。そういう日があるととてもションボリしてしまうもので、昨日の5月3日もなんだか心配になってしまうのです。しかし昨日はランチタイムの出足は遅かったものの1時過ぎぐらいからは忙しくなり「今日のごはん」も「タイカレー」も完売に。ありがとうございます。夜もいい夜でした。ずっと以前良くいらっしゃってた方がこどもさん連れで久々に来てくださって、お友達と昔話に興じているのが聞こえたり。アルゼンチン音楽や文化に造詣が深く、様々な南米音楽を紹介している西村さん・谷本さんご夫妻が、ハーモニカでバンドネオン・パートを演奏するというジョー・パワーズさんとタンゴ・ピアニスト青木菜穂子さんとご一緒に来てくださいました。ええー!ハーモニカでタンゴ!!すっごく面白そう・・・!!昨日・おとといと愛知・三重でのライブだったそうです。明日、土曜日の夜からはシネマスコーレの坪井くんと白石晃司監督の共同プロデュースによる、白石監督作品「恋のクレイジーロード」ですね。youtu.be/fAO9pepu-n4 この予告編観ると、うわこれもう絶対観ないかんやつや!!って思いますよね!ね!私はゴールデンウィーク明けに観る予定でして残念ながら舞台挨拶の日は行けないのですが、皆さん、楽しんできてくださいね。なお、「恋のクレイジーロード」上映は来週は19時から。はーい皆さん、映画の前にマタハリでごはんですよーー。マタハリでは17時以降はスコーレ整理券ご提示で200円引きしますからね。(1000円以上後利用の場合)また、お飲み物だけのお客様も、ご希望の方にちょっとだけ小腹を満たすフードをお付けしますよ。整理券を必ずご提示くださいね。映画の前に、マタハリにレッツラゴーや!!